ニシン目ニシン科のマイワシとウルメイワシ,カタクチイワシ科のカタクチイワシの3種を指します。
マイワシは、寒流(親潮)の影響が強い10~17度の海を求めて回遊します。成魚の場合、春は北海道沖から南千島沖にかけて分布し、秋になると南下し、本州の沖合いに集団で移動します。マイワシは昔から数10年~100年の周期で、大幅に増えたり減ったりしています。現在は水揚げの主役になっています。
マイワシが大漁のときは、北からの寒流が強くなって沿岸からのコースを取るようになると、生息領域が広がった上に、エサのプランクトンが大幅に増えるのが原因と言われています。
過去にも江戸時代の元禄、天明、天保、昭和の時代に大漁が記録され、いずれも陸では、冷害凶作に悩まされた年で、やはり寒流の影響が大きいと見られます。昔の人は「土用の大漁イワシは凶作の前兆」や「秋イワシの豊漁は大雪のない前兆」と言ってきました。
イワシの中では、最大で全長30センチメートル位になります。マイワシやカタクチイワシに比べて漁獲量が少ないのは、熱帯性の魚であることによります。すなわち暖流系の魚で、西南海域に分布が多く、日本の近海を離れるので、どうしても捕れる量が少なく、また年による漁獲量の変動がマイワシなどに比べると極端に差が大きくなります。
暖流の強い12~20度の海域を求めて回遊しますが、年によりマイワシより魚場に移動があります。例えば、宇和海、豊後水道、瀬戸内海などは好漁場でしたが、近年はあまり捕れなくなってきています。マイワシの漁獲量が増加しているのに対して、カタクチイワシそのものが、ここ数年減少ぎみです。したがって鮮魚として売られるもののほとんどはマイワシです。漁村では、昔からカタクチイワシ料理のうまさは知り尽くされており、九十九里の漁師も「都会の人たちはカタクチイワシのうまさを味わっていないから気の毒だ」と語るほどです。
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