フッ素は、自然界や日頃何気なく飲んでいるお茶や海産物などの食品中にも広く存在しています。

フッ素をむし歯予防のために用いるときは、フッ化物（フッ素化合物）として用います。

フッ化物を上手に利用することでむし歯予防の効果を高めることができます。

1．歯を丈夫にする（歯質強化）

　　歯の表面のエナメル質の結晶を強くし、むし歯になりにくくする

2．初期のむし歯の進行を抑える（再石灰化の促進）

　　むし歯になりかかった歯の表面を修復し、進行を抑える

3．細菌の活動を抑制する（むし歯菌の活動の抑制）

　　むし歯の原因となる細菌が活動するときに必要な酵素の働きを弱め、細菌が酸を出す活動を抑える

むし歯になりやすいのは、子どもの場合は、生えて間もない乳歯や永久歯です。大人の場合は、歯肉がやせて出てきた歯の根の部分や歯と歯の間です。
むし歯のなりやすさ(リスク)や年齢によって、フッ化物を組み合わせて利用しましょう。

歯に直接フッ化物を塗る方法です。歯科医院で年に2回以上（4～6か月毎）継続して塗布すると効果的です。

費用や塗布時期については、かかりつけ歯科医で相談しましょう。

家で簡単に使用できるフッ化物です。

「フッ化ナトリウム」　「モノフルオロリン酸ナトリウム」などの成分を含む歯みがき剤で、正しい使い方をすることで、効果が高まります。

歯みがき剤を選ぶときに、パッケージで確認をしてみましょう。

フッ化物溶液で口をすすぐ方法です。うがいが上手にできる4歳頃から可能です。歯科医院でご相談ください。

低濃度のフッ化物（フッ化物配合歯みがき剤、フッ化物洗口）と、高濃度のフッ化物（歯科医院でのフッ化物歯面塗布）では、歯面への作用が異なります。

低濃度のフッ化物を使用し、且つ定期的に歯科医院で高濃度のフッ化物歯面塗布を行うなど、併用するととても効果的です。

また、フッ化物を使っていれば、“むし歯にならない”とは限りません。フッ化物を継続的に使用し、歯みがきや食生活に気を付けて、むし歯を予防しましょう。